ブータン政府観光局について
背景
ブータンの観光産業は、第四代国王が即位した1974年に始まり、その歴史は浅いものです。観光産業は完全に政府主導で営まれ、1983年に企業化されるまで続きました。そして1991年の終わりに、政府によって事業の民営化が行われました。政府は、政府観光庁(Tourism Authority of Bhutan/TAB)を設立し、事業を促進、統制する役割を続けました。その後政府観光庁は廃止され、貿易・産業省下の観光庁という位置づけとなりました。観光事業の発展には多部門からのアプローチが必要だという方針の下、2008年に観光庁は首相を議長として、ブータン政府観光局(Tourism Council of Bhutan)という名称になりました。
観光業の方針
ブータンの観光地は、世界的に見ても、他にない観光地とみなされています。ブータンの観光産業が、環境保全、文化遺産の促進、主権国家の保護とGNHの実現のために力になっていくことが、私達の理想です。
ブータンの観光産業は、環境破壊をしないという原則のもとに設立されました。つまり観光は、自然環境にやさしく、社会的文化的に受け入れられた上で、経済的に成長できるものでなければならないということです。
ブータン政府観光局の役割
ブータン政府観光局は、次の役割、責任を担っています。
1)観光の立案、方針決定: 国家の観光に対するする方針、戦略を、関係各所との会議にて立案、実行、更新する。
2)管理と監視: 観光のガイドラインを作成、実行する。自然、文化的資源が枯渇しないよう規制する。法令を遵守する。
3)援助と調整
- 観光客に対し、安全で健康的な環境を用意する。
- 民間企業に対し、観光産業への投資を援助する。
- 観光業を国家の重要な方針として推進し、その発展のために適切な資源を集結する。
- 観光業者間の業績を調整する。
- 旅行の手続きを進める。
- 旅行者の交渉、体験をサポートする。
4)宣伝広告と観光の推進: 自然環境と社会とを両立させる、バランスの取れた新しい観光商品を開発し、発展させる。
5)人材開発: トレーニングの機会を増進することで、観光業に必要な資格を持った人材、技術を促進する。
組織図
ブータン政府観光局には、大きく3つの部門があり、その下にある多くのセクションが、与えられた機能、責任を果たすために設けられています。