経済

ブータンの経済は小規模です。大部分のブータン人は読み書きが出来ず、田舎に住んでいることもあり、人口の約31%は、未だに貧困層です。しかし、ブータン人の多くは家屋に困ることなく、安全安心に暮らしています。急速な近代化に伴い、近年では人々の生活水準も高まり、すべての村に学校や診療所ができ、幹線道路につながる道や電気が通るようになりました。一番離れた村にまで電話網や無線電話網を張り巡らそうという計画も進んでいます。

ブータンの経済は農業に大きく依存しています。人口の多くは農民なので、農業が一番主要な生計の手段で、畜産業がそれに続きます。チーズやバター、ミルクといった乳製品は、農民の主食となっているだけでなく、収入源ともなっています。農林省が推進している農民の共同組合によって、農作物を簡単に取引できる場が作られています。主な穀物は、米、トウモロコシ、小麦、ソバ等で、現金収入を目的として、ジャガイモ、リンゴ、オレンジ、カルダモン、生姜、唐辛子なども作られています。

ブータンは森林資源にも恵まれているので、古くからその資源を活用してきました。籐や竹でできた製品はブータン人の収入源となっています。こうした多様な製品は、都市部の住人や旅行者が購入していきます。また、最近のブータン経済に大きく貢献しているのは、観光産業です。1975年に始まってから、ブータンの観光産業はめざましく拡大してきました。ブータンは、観光産業によって収益を得てきただけでなく、教育を受けた人材の雇用を沢山生み出してきました。

しかし、ブータンの財政に最も大きく貢献しているのは、間違いなく電力部門です。Chhukha水力発電会社、Tala水力発電会社、Baso Chu水力発電会社、Kurichu水力発電会社は、Druk Green power Corporation の傘下にあり、1500メガワットの電力を生産する巨大事業となっています。生産された電力は、ほとんど隣国のインドに輸出されています。ブータンは水資源が豊富なので、最大で30,000メガワットまでの電力を生産する能力があります。

その他には、製造部門が貢献しています。製造業の一部はPasakhaにあり、セメント、炭化カルシウム、スチール、フェロシリコン、材木産業などがあります。経済成長の結果、ブータンの一人当たり国民所得は、南アジアの中では高い水準の、US$1,321にまでなっています。